高校で学んだことが役に立った!と思う瞬間 ~英語編~

tsukubascienceadmin
By 坪山 有理 1月 7, 2010 21:20

高校で学んだことが役に立った!と思う瞬間 ~英語編~

こんな時、あなたならどうしますか?

明日締め切りのレポート課題を書くために、図書館に来た。しかし、参考になりそうな日本語の本はすべて貸し出し中。残っているのは英語の本だけ。

大学図書館であっても、高価な専門書は1冊ずつ程度しか置いていないので、締め切り直前に課題を片付けようとするとこんな状況に陥ることがあります。

  • 選択肢1:本は諦めてインターネットで調べる
  • 選択肢2:英語の本をがんばって読む
  • 選択肢3:レポートを捨てる
  • 選択肢4:友達のレポートを写させてもらう

選択肢1を選んだ場合:

今や専門的な知識もインターネット上に掲載されています。本を読むよりわかりやすく、しかも詳しく知ることのできるサイトもたくさんあります。最新の情報という点ではインターネットに軍配があがるくらいです。ただし、間違っている情報も多いし、うっかりしているとレポートがコピー&ペーストだらけになって、レポートが不合格になる危険性も。

選択肢2を選んだ場合:

時間はかかるけれど、情報の信頼性は高いので良いレポートが書けるでしょう。選択肢2を選んだ人は研究者としての将来性が高いといえます。

選択肢3を選んだ場合:

…サークルやバイトを楽しんでください。もしかすると、大学生活を1年くらい延長できるかも。

選択肢4を選んだ場合:

レポートは試験に準じる、と考えている先生が多いので、カンニングとみなされて友達ともども共倒れすることになるでしょう。

さて、あなたはどれを選んだでしょうか。

大学卒業後に研究者を目指しているなら、選択肢2を選ぶが吉。そこで英語の専門書を避けても、そう遠くないうちに英語論文の山に―印刷した論文で机に山が作れます―包囲されることになります。どっちみち埋もれておぼれそうになるなら、早いうちに慣れておいたほうがあとあと楽です。

英語の論文に追われたり埋もれたりは研究者を目指す人なら必ず通る道です。現在、一流といわれる学術雑誌(論文投稿誌)にはNature, Scienceなどがあります。これらはもれなく英語です。科学を研究する時には、最先端の研究動向を捉え、常に学びながら研究をすすめていくのですが、最先端の研究を知るためにはクオリティが高い論文を読むのが一番です。そういうわけで大学では一流の学術雑誌に載っている英語の論文をたくさん読むことになります。日本で大学生をしているのに英語の論文でおぼれることになるのです。

英語の論文を読む、というのは、英語の長文読解問題を解いていくのと似てないようでよく似ています。論理を追いながら英語論文を読むためには、文と節、文と文の関係を理解しながら読み進めなければなりません。文と節、つまり関係代名詞や接続詞のつながり・構造を理解する。これって、高校英語の長文読解の和訳問題でよく聞かれた部分ではないでしょうか。実際、論文を読むようになってから、受験以来使ってなかった高校英語の文法書の出番がぐぐっと増えました。

Natureのウェブサイトでは、いくつかの論文が無料で公開されているので、一度目を通してみるとよいのではないでしょうか。わからなさ加減に勉強する気が起きる人、サジを投げてしまう人それぞれいるでしょうが…

勉強したことは後からじわじわと効いてきます。高校までは、どうしても大学入学試験のための勉強になりがちだけれど、理解できなくても自分が目指すものに触れてみると勉強のやる気がでるかもしれません。

tsukubascienceadmin
By 坪山 有理 1月 7, 2010 21:20
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